地域に合った新たなコミュニティづくり

 

保健福祉プラザで市と認定NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワークの共催により開かれた「あやせ地域づくりカレッジ公開講演会」に参加しました。地域街づくりカレッジ事業の第一回目は市民にも公開され、法政大学法学部教授の名和田是彦氏を講師に迎え、「福祉活動で広げる地域のつながり」というテーマの講演を聞きました。

講演の様子

<コミュニティ政策の変遷>

これまでのコミュニティ政策では、ハコモノをつくり、その管理を住民が自主管理するというもの。その施設は貸館の要素が強く、広いロビーのスペースがないなど、そこに来る人同士の交流がなかなかできにくい構造がありました。そこから、オープンに開かれたいつでも利用できる、市民活動支援センターの誕生や、その後、作られるコミュニティ会館は、ロビーを広くし、オープンスペースを重視した空間の設計や、調理できるだけの調理室から食事サービスを提供できる調理室が作られれるようになるなど、来館者が受け身で学習する場から、活動する場を提供する施設へと変遷してきた経緯などをお聞きしました。

<都市内分権>

戦後初めての経済右肩下がりの時代となり、反面、都市部では自治会の加入率が下がる中、地域福祉が中心となる、自治会単位のコミュニティ組織の形成「都市内分権」が進んでいるとのことで、先駆的に行われている宮崎市や神戸市の例や、名和田先生が携わっておられる横浜市の地域福祉保健計画について、市内に254地区全てで地区計画を策定し、さらに第4期計画ではさらに身近なエリア(自治会単位)支援を重視していくという事です。地域福祉を核にした「横浜流都市内分権」は今後も注目したいです。

<公共空間の再建として「コミュニティカフェ」>

よく、顔の見える関係づくりは大切と言いますが、いざ、その関係を新たに個人で作ろうとすると、なかなか難しいものがあります。名和田先生は、「顔の見える関係づくりはまだ顔の見えていない人達=不特定多数の人達=公共空間との出会いからである」と、「今後コミュニティセンターはこのような方向に向かうのではないか。また、その空間を作り出すコミュニティカフェは福祉的機能を持っている」と。先生たちが実践されているように、うまく継続できれば、素晴らしいものになると感じました。しかしながら、居場所としてのカフェは、その継続は難しく、各地で立ち上がっては、消滅しているということで、綾瀬市の実情に合うかは別ですが、興味深くお聞きしました。

【感想】

私たちはこれまで、困った時はお互いさま、顔の見える関係は自身の地域の活動の中で(仕事、子育て、自治会活動、近所付き合いなど)見出してきていました。しかしながら、高齢で独居になったり、病気や障害、介護を抱えて外との交流がなかなか持てない引っ越し先の新たな土地では、個人でその関係を作り上げることは難しい場合も多いです。

綾瀬市でも自治会加入世帯が76.9%(2011年度)から72%(2019年9月)と減少傾向です。背景には様々な要因があると考えられますが、これまでの古くからあった地域のコミュニティは、住民の流出や転入を繰り返すことで、崩壊していることも多く、行政サービスがそこに依存して制度を作り上げることは、限界を迎えています。それにも関わらず、国の政策は少子高齢、人口減少社会のもとに、その地域の中に住民同士の見守りや助け合いの仕組みを求めています。私たちは子育て、介護の社会化を求めてきました。これまでと同様に必要なサービスは国が補償するべきです。そして、福祉の視点からのその地域に合った新たなコミュニティづくりは、市民の声を聞くことができる丁寧な場づくりや合意形成を重ねていくことがまずは大切だと感じました。